藤澤江里子展が始まった

 東京青山のトキ・アートスペースで藤澤江里子展が始まった(4月3日まで)。藤澤は1960年東京都生まれ、武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン科を卒業したあとBゼミスクールを修了している。なびす画廊、かわさきIBM市民文化ギャラリー、村松画廊、ギャラリーαM、トキ・アートスペースなどで個展を開いている。2012年は青梅アートフェアで青梅市立美術館に大作を展示していた。2014年には上野桜木の櫻木画廊で3人展を開いていたが、都心での個展は2009年の村松画廊以来だから7年振りだ。






 藤澤は抽象の作家だが、とくに線を主体とした抽象作品を作っている。「線」をテーマにした企画展があれば藤澤を外すことはできないだろう。みごとな作品が並んでいる。ここに紹介していないが、今回トキ・アートスペースの正面の壁左右一杯を使った大きな作品が展示されている。また天井から床ぎりぎりまでの大作も展示されている。

 藤澤は大作が得意な作家かと思っていたが、入口近くに4号くらいのキャンバスに描かれた作品が8点並べられている。これがいずれも2万円だという。小品も決して悪くなかった。また紙に描いた作品が画廊の奥の部屋に置いてある。こちらはもっと安いようだ。画廊のスタッフに言えば見せてくれるだろう。
 藤澤はもっと注目されるべき中堅の優れた抽象作家だと思う。多くの人が足を運んでそのことを自分の目で確認してもらいたい。
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藤澤江里子展
2016年3月28日(月)→4月3日(日)
11:30→19:00(最終日17:00まで)会期中無休
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トキ・アートスペース
東京都渋谷区神宮前3-42-5 サイオンビル1F
電話03-3479-0332
http://homepage2.nifty.com/tokiart/
地下鉄銀座線外苑前駅から徒歩5分ほど
ワタリウム美術館近く