ギャラリー檜plusの岡部貴子展が良い

 東京京橋のギャラリー檜plusで岡部貴子展が開かれている(2月8日まで)。岡部は1977年、兵庫県生まれ。2000年に大阪芸術大学を卒業、2002年に大阪芸術大学大学院を修了している。2005年から大阪の番画廊で個展を繰り返している。ギャラリー檜では2011年に続いて今回が2回目。2012年には同じギャラリーの「Drawing Show」に参加したが、その時のドローイングがとても良かった。
 さて、今回の個展に際して岡部のテキストが提示されている。

−−クロッキーによる裸体−−
のがれることのできない自己肉体の再知覚
絵画における身体性を考える

 ギャラリーには大きな作品が4点並んでいる。




 すべて抽象表現主義的な作品だ。画廊主の三浦さんによれば、これらは皆裸婦を描いたクロッキーとのことだ。でもどこにクロッキーが見えるのだろう。どこに裸婦が描かれているのだろう。まったく分からない。
 しかし、これらが優れた作品であることに疑いはない。とても良い作品だと思う。見ていて快い。一見、ただ描きなぐったように見えながら、なぜこれらが優れているのか、そのことを私は説明することができない。しかし、落書きのように描きなぐったものと異なり、ここにははっきりと秩序が感じられる。その秩序が作品の美しさを担保している。
 一昨年見たドローイングも良かった。今回の作品の背後には、あの優れたドローイングの裏づけがあったのだ。


岡部貴子のドローイングが良い(2012年7月13日)
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岡部貴子展
2014年2月3日(月)−2月8日(土)
11:30−19:00(最終日17:00まで)
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ギャラリー檜plus
東京都中央区京橋3-9-2 プラザ京橋ビル3F
電話03-6228-6558
http://www2.ocn.ne.jp/~g-hinoki