トキ・アートスペースのサクサベ ウシオ展「浮かされた石と鉄2014」がお勧め

 東京港区のトキ・アートスペースでサクサベ ウシオ展「浮かされた石と鉄2014」が開かれている(2月9日まで)。サクサベは秋田県生まれ、1979年東京造形大学彫刻科を卒業し、1981年多摩美術大学大学院美術研究科を修了している。1983年以来、神田、銀座、横浜など各地で個展を開いてきた。最近は越後妻有アートトリエンナーレ中之条ビエンナーレ我孫子国際野外美術展、タイ・日本交流彫刻シンポジウム、アートプログラム青梅、雨引の里と彫刻展などのグループ展で活躍している。今までネットの写真で見たことがあったが、大きな自然石を空高く吊り下げたりしていた。作品の性質から野外展が多いようだった。
 今回は、長さ9mの太い鉄線をギャラリーの中央に吊っている。鉄線の途中を丸く円にして、その円の中に自然石を置いている。それらが中空に吊り下げられている。とても強い緊張感がある。鉄線と石で相当の重量がありそうだ。100kg近いのではないか。サクサベはこの設置に1人で2日間かけたという。だから展示期間は5日間しかない。贅沢な個展だと思う。これだけの展示が2日間で消えてしまうのだ。
 鉄線は十数本のステンレスの針金で吊られている。自然石は鉄線に留められている。構造自体は単純なものだが、目の前に大きな鉄線と石が吊り下げられているのを見せられると、感嘆してしまう。モノの強みと言おうか。
 9日の日曜日の5時で終了して作品は撤去されてしまう。あとは写真しか残らない。ギャラリーへ足を運んで、ぜひ実物を見てほしい。



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サクサベ ウシオ展「浮かされた石と鉄2014」
2014年2月5日(水)−2月9日(土)
11:30−19:00(最終日17:00まで)
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トキ・アートスペース
東京都渋谷区神宮前3-42-5 サイオンビル1F
電話03-3479-0332
http://homepage2.nifty.com/tokiart/
東京メトロ銀座線外苑前駅下車3番出口から徒歩5分
ワタリウム美術館向かいの小路を入ってすぐの右側)
画廊の地図 http://homepage2.nifty.com/tokiart/map.html