HARMASギャラリーの高橋大輔展「絵の絵の絵の絵」


 東京江東区清澄のHARMASギャラリーで高橋大輔展「絵の絵の絵の絵」が開かれている(8月10日まで)。高橋は1980年埼玉県生まれ。2005年に東京造形大学絵画専攻を卒業している。同大学在学中に休学してインドに行っている。主な個展は、switch point、トキ・アートスペース、LOOP HOLE、T&Sギャラリー、リマスタ等。HARMASギャラリーで3回目の個展になる。
 ギャラリーのHPから、

高橋の描く、絵画という言葉から受ける印象を覆すほど厚く厚く描かれ隆起した画面は、見事な色彩感覚とともに立体的な層となりこれまでに無い豊かな絵画空間を獲得しています。
この特徴的な画風は、奇をてらった訳ではなく、いままであったどの絵とも違う絵を描くという、画家としてのごく真っ当な願いが厚みとして発露したにすぎません。
ある限定したモチーフやコンセプトに縛られず、過去の絵画史を真摯にみつめ、同時代に生きる作家たちの動向を捉えつつ、自身の制作に取り組む中で、彼は今回の展覧会を『絵の絵の絵の絵』と名付けました。
いままで参照してきた過去の絵画と、それらに憧れつつ描いて来た自身の絵、そして過去作を踏まえ描かれていくであろう未来の自分の絵。
そういった自分の内と外にある絵と絵のつながり、連綿と続くその流れの中で、自作を押し進めていく事を表したタイトルです。

 今回は今までの作品と少し変わってきた。筆の跡がハッキリしていて、パレットナイフの使用が少なくなっている。また100号という大作も描かれている。使用する絵具の種類が増え、いっそう華やかになっている。
 高橋は描くのではなく、絵具の物質性を強調して作品を作っている。今までのパレットナイフを多用した作品ではそれが全面に出ていたが、今回の個展では絵画的な要素が現れてきている。とくに100号の大作では植物園を俯瞰したかのような画面を作っている。このような変化が高橋をどこへ連れて行くのだろう。
 なお、画廊の奥の壁には従来と同じ黄色の絵具の塊のような小品も展示されている。

100号の大作




小品


 カラリスト高橋の作品展開はこれからも眼が離せない。
 なお、ギャラリーは毎週、金・土・日にのみ開廊するので注意されたい。
       ・
高橋大輔展「絵の絵の絵の絵」
2013年7月6日(土)〜8月10日(土)
12:00〜19:00(金・土・日のみオープン)
       ・
HARMAS GALLERY(アルマス・ギャラリー)
東京都江東区清澄2-4-7
電話03-3642-5633
http://harmas.fabre-design.com/
地下鉄半蔵門線大江戸線 清澄白河駅A3出口徒歩4分