読売農学賞を湯川淳一さんが受賞

 第46回読売農学賞を九州大学名誉教授の湯川淳一さんが受賞された。受賞理由は「害虫および天敵タマバエ類の分類と生態に関する一連の研究」だ。
 以前、湯川さんの作られた「日本原色虫えい図鑑」の編集のお手伝いをしたのでとても感慨深い。山梨県の昇仙峡へ、タマバエに寄生されたアブラムシの採集にご一緒したこともある。
 この図鑑はよく出来ていて、素人でも簡単に虫瘤(虫こぶ、虫えい)を同定することができる。虫こぶのできている植物の名前が分かりさえすれば、虫こぶの出来ている場所(葉、果実、芽、茎など)と虫こぶの形(珠状か、凸状か、凹状か、瘤状か、縮み状かなど)で虫こぶの名前が分かり、その虫こぶ形成者(昆虫やダニ)の同定も出来る仕組みになっている。
 しかも図鑑といいながら、全体に占める図鑑部分は約4割で、一般解説や虫えいに関する各種データが6割を占めている。虫えいに関する文字通りのモノグラフである。
 湯川さんは研究一筋の真面目な方だ。読売農学賞受賞おめでとうございます。

日本原色虫えい図鑑

日本原色虫えい図鑑