これは私の推測です。きちんとした裏付けがあるわけではない。オノ・ヨーコはなぜ世界のビッグ・スター、ジョン・レノンと結婚できたか。ジョンと結婚したとき、オノ・ヨーコは36歳ですでに2度離婚していた。最初の夫はジョン・ケージの弟子で前衛音楽作曲家の一柳慧だった。2番目の夫はアメリカ人。彼女はジョンの7歳上になる。ジョンほどのスーパースターだったら世界中の女の子がよりどりみどりだろう。何でとりわけ美人でもない日本人のオノ・ヨーコなのか。
ジョンはイギリス人だ。イギリスは階級社会だ。上流階級と労働者階級は生活も言葉も違う。サッカーのスーパースター、ベッカムもジョンも労働者階級出身だ。イギリスで労働者階級が上流階級からどのように見られているか、会田雄次の「アーロン収容所」(中公新書)に書かれている。言葉も上流階級出身のサッチャーやブレアとは異なって、上品ではない発音だという。
オノ・ヨーコはどうか。彼女は安田財閥を築いた安田善次郎のひ孫だ。学習院大学では今の天皇と同級生だった。庶民とは育ちが違う。労働者階級出身のロックのスーパースターなど屁でもないだろう。しかも前衛芸術家として実績を重ねている。賢い女性だ。
出生が良くて、賢くて、ジョンの持ってないものをフツウに持っている。しかも、ジョンをあがめることをしない。それはジョンにとって新鮮な体験だったろう。
労働者階級出身のジョン・レノンと貴族階級出身のオノ・ヨーコ、それはある意味見合っているのではないだろうか。