東京神田のギャラリーN神田社宅で小川愛展が開かれている(10月31日まで)。小川は1994年愛知県生まれ、2017年名古屋芸術大学美術学部美術学科洋画コースを修了した。2015年に愛知県で初個展、以来ギャラリーN神田社宅の本店、名古屋のギャラリーNで2回個展を開いている。東京では初個展となる。
小川はキャンバスに食パンを描いている。小川にとって食パンは幸せのシンボルらしい。キャンバスにバターや生クリームを塗った原寸大の食パンを描いているが、画廊の中央には巨大な立体的な食パンも展示されている。そこには天井から生クリームが垂らされている。
しかし、この巨大な食パンは、教えられなければ何か分からなかった。ただ決して広くはないアトリエ兼アパートの1室で半年もかけて作るなんて、小川の食パンに賭ける強い大きな思いが想像される。その強い思いに共感してもいることに気が付いた。遠くからだが頑張れって思ってしまう。
このような常識の水準をはるかに超える過剰な表現は、必ずある高いものに到達することがある、と信じている。過剰なものがなかったら、水準を超えることはできないのだから。
・
小川愛展「sand sea」
2020年10月17日(土)―10月31日(土)
13:00-20:00(休廊日:日月祝)
・
ギャラリーN神田社宅
電話080-3060-7809
JR神田駅東口から徒歩2分
東京メトロ銀座線神田駅1番出口から徒歩2分