京都絵美の作品

 昨年7月1日に日本橋高島屋へ「第4回 日本画の位相3+2」を見に行った。岡村桂三郎、北田克己、間島秀徳が「3」で、堀木膳富、京都絵美が「2」となる。3人の中堅に2人の新進といったところらしい。私は岡村と間島を見に行ったのだが、この日は参加作家によるシンポジウムが行われていた。それは予定していなかったので、少しだけ聴いて帰ってきた。京都絵美も発言していたが、作家に記憶はなかった。しかし、京都という姓を「みやこ」と読むことは知っていた。なぜこんな特殊な読み方を知っているのだろう。少しずつ記憶がよみがえってきて、昔銀座のフォレストで個展をしていた京都と話して、そのとき読み方を教えてもらったのではなかったか。この高島屋でグループ展を見たのが6カ月前のことだった。
 年末に古い資料などの整理をしていたら、思いがけず京都絵美さんからの手紙が出てきた。手紙に日付はなかったが、2006年8月の消印が押されている。12年前だ。手紙の内容は、私が銀座フォレスト・ミニでの彼女の個展に来て小品を買ったことが書かれていて、その礼状だった。

 それで思い出した。しまってあった京都の作品を出してみた。薄塗りの品の良いとても小さな作品で、おそらく安かったのだろう。作家の顔は忘れていたが、変わった読み方の名前と作品は記憶にあった。立派な日本画家に成長していたことがとても嬉しい。