読売新聞も年末恒例の書評委員による「2018年の3冊」を発表した(12月23日)。21人が3冊ずつ、計63冊を挙げている。そのうち私が気になったものを。
苅部直(推薦)
佐々木雄一著『陸奥宗光――「日本外交の祖」の生涯』(中公新書、900円)
すぐれた評伝である本書は、どうして陸奥宗光が、外務省に銅像があるほどに尊敬されたのかがよくわかる。
橋本五郎(推薦)
熊野純彦著『本居宣長』(作品社、8200円)
本書はここ10年の間に私が読んだ最高の作品である。ずぶの素人である私にとっても感動的だった。
これは本当に評判が良い本だが、分厚く高価なのだ。
尾崎真理子(推薦)
三浦雅士著『孤独の発明』(講談社、3500円)
要約して評することが難しい、熱くて厚い本。『私という現象』(1981年、講談社学術文庫)からの集大成。
・
野崎歓著『水の匂いがするようだ』(集英社、2200円)
年齢を重ねるほど井伏への愛着が増すのを感じていたら、野崎氏に理由を教えられた。仏文の学識を含ませた、井伏と拮抗する文章。幸福感に包まれるエッセー。
三浦雅士の本も多くの評者が取り上げていて評判いいが・・・
よみうり堂店主(推薦)
マルクス・ガブリエル著『なぜ世界は存在しないのか』(講談社選書メチエ、1850円、清水一浩訳)
本書は「新しい実在論」の騎手による刺激的な論考。私たちが存在するとはどういうことかを徹底的に掘り下げる。

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- 作者: 熊野純彦
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- 作者: 三浦雅士
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