ギャラリーなつかの濱田富貴展「混沌」を見る

 東京京橋のギャラリーなつかで濱田富貴展「混沌」が開かれている(12月23日まで)。濱田は1972年福岡県生まれ、1998年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科版画コースを卒業し、2000年に同大学大学院造形研究科美術専攻版画コースを修了している。その後、カナダのアルバータ大学やアメリカのユタ州立大学に招聘され、2009年には文化庁新進芸術家海外研修員としてフィンランドに滞在している。2015年には「DOMANI・明日展2015」にも選ばれている。








 濱田は植物をモチーフにして大きな銅版画を作っている。また墨を使ったドローイング作品も展示している。今回は羊皮紙に刷った作品もあった。植物をモチーフにしているので絵柄は単純だ。アラベスクのようでもある。そんな単純な絵柄がなぜ魅力的なのか? それは刷り色の黒の深さとにじみが作る豊かな変化によるのではないか。
 一昨年の「DOMANI」では16枚の版を並べた大きな作品が展示されていたが、その大きさに圧倒されたことをまだ憶えている。
 今回の個展は2週間の会期がある。単純なモチーフから豊かな世界を紡ぎ出した濱田の世界に触れてみてほしい。
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濱田富貴展「混沌」
2017年12月4日(月)―12月23日(土・祝)
11:00−18:30(土曜日17:00まで)日曜休廊
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東京都中央区京橋3-4-2 フォーチュンビル1F
電話03-6265-1889
http://gnatsuka.com/