東京京橋のギャラリーなつかでチョン・ダウン展「ドッペルゲンガーノート」が開かれている(7月3日まで)。チョンは1989年韓国生まれ、2015年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科版画専攻を卒業し、2017年から2年間ベルリン芸術大学に留学、現在武蔵野美術大学大学院博士課程に在学中。
2017年にギャラリーなつかで初個展、その後もギャラリーなつかを中心に個展を繰り返している。
今回、タイトルの≪ドッぺルゲンガーノート Doppelgänger Note≫についてホームページにテキストを書いている。
ドッペルゲンガーに会うと本人は死ぬという。(ゲーテは例外だったようだ。)
版画が作り出したイメージをドッペルゲンガーに置き換えて、
オリジナルと複製の関係について考えてみる。
文脈によって変わるイメージのあり方。。。
ドッペルゲンガーの存在は本当にオリジナルを殺すものなのか、
それともオリジナルがないことを隠すためなのか。
チョンの作品は物語を秘めているようで面白い。だが、その物語を積極的に打ち出しているようには見えない。最近の作家たちは作品から物語や意味を捨象して純粋に造形に特化している印象があり、チョンの試みはそのような風潮のなかで貴重で興味深い。
天井近くの梁にも作品を展示していて、同じような変な場所に展示をする彫刻家の須田悦弘を連想した。
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チョン・ダウン展「ドッペルゲンガーノート」
2021年6月21日(月)―7月3日(土)
11:00-18:30(土曜日17:00まで)日曜休廊
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ギャラリーなつか
東京都中央区京橋3-4-2 フォーチューンビル1F
電話03-6265-1889