大八というラーメン店があった



 東京六本木に大八という名前のラーメン店があった。地下鉄日比谷線六本木駅を降りて国立新美術館またはSHOUNANDAI MY ギャラリーへ行くとき、近道で東京ミッドタウン前に斜め左に抜ける小路がある。小路を入ってすぐのところにその大八があった。今は写真のとおりまるで廃屋のような姿をしている。抵当物件にでもなっているのだろうか。
 大八について20年前のグルメ本にはこう紹介されていた。

六本木のラーメン屋としては20年を越える老舗といえる店。自己流で始めたというが、ファッショナブルな街六本木に良く溶け込んでいる。めんは細く、ゆで方に充分な神経を使っている。鶏がら、豚骨、野菜を長時間煮込んでとったスープに、生じょうゆを加えた味付けは、さっぱりしたなかにもこくがある。具はチャーシューとメンマに、青いいんげんが加わるだけのシンプルなもの。ラーメンのほかにはワンタンメンの人気が高い。(後略)
●メモ/夕刻から深夜にかけて営業している。「支那ソバ大八」の大きな看板が目印だ。

 グルメ本によるとメニューは、ラーメンが600円、ギョーザ500円、ワンタンメン800円、チャーシューメン800円となっている。現在にくらべて多少は安いようだ。10席しかない小さな店だった。
 グルメ本の出版された20年前ころ、クライアントの接待で六本木のクラブへ行った帰りに寄った記憶がある。大通りから少し外れているとはいえ、営業するのに悪い場所ではない。何があったのだろう。