酒匂譲個展が開かれている

 東京銀座のみゆき画廊で酒匂譲個展が開かれている(1月9日まで)。酒匂は1930年鹿児島県生まれ、1953年に東京藝術大学油絵科を卒業し、1955年に同専攻科を終了している。はじめサヱグサ画廊で個展を開いた後、パリで個展をし、1976年からはこのみゆき画廊で毎年個展を開いていて、今年でもう41回目になる。長く東京家政大学で美術を教え、現在その名誉教授となっている。
 酒匂は40年以上にわたって公募展ではなく個展という発表形式を選んできた。それも企画画廊からの誘いを断って。そのため栄誉とは無関係できたけれど、美術の世界における無冠の帝王とも言いうる本当に優れた画家の一人だ。酒匂は似ている作品を創らないで、多彩な作品を作り続けている。多くの大家たちが陥る自己模倣を決してしない。何よりも色彩が美しい。色彩の美しさでは日本でも有数の画家だろう。








 今回も水彩の小品が多いが油彩作品もあり、30点以上が並べられている。おそらく酒匂はこれらの作品をさらさらと短時間で仕上げてしまうのだろう。それでいてこの完成度を誇っている。
 酒匂が個展会場に選んで毎年もう41回を数えてきたこのみゆき画廊も建物の建て替えのため3月で閉廊することになった。来年は会場を替えて個展を開くのだろうが、みゆき画廊での個展は今回が最後になる。ぜひ多くの人に足を運んでもらいたい。
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2016年1月4日(月)−1月9日(土)
11:00−19:00(最終日17:30まで)
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みゆき画廊
東京都中央区銀座6-4-4 銀座第二東芝ビル2階
電話03-3571-1771
http://miyuki-gallery.com/