写真の著作権の例外

 写真の著作権は普通撮影者に帰属する。あらかじめ契約して著作権が発注者に帰属するとしておけば、著作権者は撮影者ではなく発注者になる。しかし特に契約がないのに撮影者に著作権が発生しないという例外がある。
 それは平面を撮影した場合で、著作権は発生しない。平面の撮影では独創性が発揮されないからだとされている。具体的には絵やイラストを撮影した場合がこれに当たる。複写と呼ばれているものだ。誰が撮っても同じ写真になるからだ、とされている。
 わずかに凹凸がある版画を撮影した場合はどうなるか、かつて裁判で争われたことがあった。その凹凸ゆえに版画は平面ではない、故に著作権が発生すると主張したカメラマンは裁判で敗れてしまった。版画を撮影しても撮影者の著作権は発生しないという判例ができてしまった。