アリを飼育した夏休みの思い出

 娘が小学生だった頃アリの飼育セットを買ったことがある。平べったい(奥行きのない)透明なプラスチックの箱に砂が入っており、アリを採集してきて入れると地下に穴を掘って巣を作るので、それを横から観察することができる。
 観察の手引きに書かれていたのだが、働き者の代名詞みたいなアリは実は全体の2割のものしか働かない。残りの8割は何もしないで巣の中でじっとしている。ところが働いている2割のアリを飼育箱から排除すると、じっとしていた8割のアリの中から2割ほどが働き始めるのだ。
 夏休みの思い出で、それ以上ここから何の結論も教訓も引き出せてはいないのだが。