ペンネームあれこれ

 いままでいろんなペンネームを使ってきた。高校生の頃使ったのが、Hell's Saint 地獄の聖者で、これはアメリカの暴走族Hell's Angels に掛けている。数回だけ「はみだしYouとPia」でも掲載された。
 高校卒業前後から使ったのが、Modesty Masayoshi Polo、略してM.M.Poloだ。ル・クレジオの「調書」の主人公アダム・ポロAdam Poloの一族として名乗った。
 20代半ばからは5月のあほうどり、寺山修司の「人生はただ一問の質問にすぎぬと書けば二月のかもめ」をアレンジした。これは「はみだしYouとPia」に投稿するときに使用して150回くらい掲載された。
 一度だけ「サラミの猿」を名乗ったことがある。この出典が分かったらかなりのミステリファンだろう。
 しかしいい歳してペンネームもないものだとは分かっている。要するに幼稚なのだ。よく分かっている。小学校中学校を通じて親しかった友だちは特別頭の良いやつか、特に出来の悪いやつだった。秀才には興味がなかった。その出来の悪い友だちと中学3年の時に金玉つかみといういたずらをしていた。後ろから近づいて尻の間から手を伸ばして陰嚢をつかむのだ。小学生のやることで、まともな同級生はもうそんなことは卒業していた。高校に入るとさすがに出来の悪いのは淘汰されていて、特別出来の良かった友人は長野高専に行ってしまって、私は3年間孤独だった。
 就職したデザイン会社で一番気があったのは、デザインは優秀だが勉強はおそらく優秀ではなかっただろう女性デザイナーだった。彼女と幼稚な冗談を言い合うのがどんなに楽しかったことか!
「3人に聞きました。ウォシュレットが進化するとこの後どうなる? A子『シャワー式になる。汚れセンサーがつく』B子『中まで洗えるようになる』C男『モニターがつく。液晶の5インチくらいの』」このB子であり、
「『夕べラジオ止めておいてあげたよ』と大家のお爺さんに言われたのは、ラジオをつけっぱなしで寝てしまった陽子さんです。『お礼言っといたけど、それって夜中に私の部屋へ入ってきたってことかしら』もちろんそうですよ。」この陽子さんであり、
「『父さんの会社に、桃を皮ごと食べる人がいるんだって?』『いるよ。Y子ちゃんだけど、その旦那のO野ちゃんはデラウェアを房ごと食べてるよ』。」「今日B子と話し合って驚いた。私は午前中だけで5回も小用に行くのに、彼女は1日にたった2回だという!」のB子であり、
「『Y子ちゃん、お客様が来ました。冷蔵庫の中には賞味期限切れの豆腐があります。冷や奴で出す場合、期限切れ何日までお客様に出しますか?』『えーと、3日』」のY子ちゃんであり、
「Y子『ベランダに虫の糞があるの』私『Y子ちゃんのダンナの糞じゃないの?』Y子『あんな小さいの、どうしてできるの』私『どうしてできるか考えてみよう。すぼめる』Y子『えーと、網戸をあててする』のY子ちゃんである。
 別れたカミさんからもあんたは糞尿譚が好きねえと呆れられていたのだった。全くそのとおり、幼稚な者は糞尿譚が好きなのだ、弁解の余地はない。