1週間後に迫った山本弘展



 長野県の東御市梅野記念絵画館の「All is vanity. 虚無と孤独の画家――山本弘の芸術」の開催まで1週間となった。美術館のホームページにその詳細が掲載されているので、それを紹介する。

 

信州飯田で生涯の大半を過ごし、51歳で自死した異色画家、山本弘を紹介します。

山本弘は、多感な十代を軍国主義から民主化へ急激に移行する戦中、戦後混乱期に過ごし、価値観が逆転した社会のなかで純粋な精神を傷つけられたのか、この頃から自殺を試みるようになります。

長野県展の前身である全信州美術展に17歳で入選するなど、地元ではその実力を知られていましたが、過度の飲酒によりアルコール中毒となり、入退院を繰り返した後に縊死しました。

晩年、アルコールの過剰摂取が原因で脳血栓となり手足が不自由になった山本弘は、絵具を混ぜずにパレットナイフで描くようになり、作品は奔放なタッチと色彩の美しさが際立ち、強い魅力を放っています。

没後、美術評論家針生一郎に見い出され、広く国内に知られるようになったこの画家の、公立美術館での単独の回顧展としては初めての開催となります。

鑑賞者の眼を意識した絵が氾濫する昨今の美術界のなかで、他者を意識せず自分のためだけに描いたこの作家の孤高の美しさを感じていただければと思います。

 

 

会期:2023年9月9日(土) - 2023年11月26日(日)

休館日:月曜日

※月曜日が祝祭日の場合は、翌火曜日が休館になります

開館時間:午前9時30分から午後5時(入場は午後4時30分まで)

入館料:一般 800円 / 団体 700円

※中学生以下無料 ※団体割引は15名様以上から ※身障者割引、学校利用減免、減額制度あり

 

 

トークイベント:絵解き謎解き「山本弘の絵とその人」

曽根原正好 × 大竹永明(当館館長)

生前の山本弘と親しく交際し、作家没後は山本弘芸術の顕彰のために奔走され、美術評論家針生一郎氏の理解と協力へとつなげた”山本弘の弟子”である曽根原正好と、当館館長の大竹永明が、山本弘の人と芸術を一時間余にわたってしゃべり尽くします。

日時 2023年9月9日 13:30-

会場 梅野記念絵画館ホール

 

東御市梅野記念絵画館

長野県東御市八重原935-1 芸術むら公園

電話0266-61-6161

https://www.umenokinen.com/#

 

 

アクセス

鉄道等の場合

関東方面から:北陸新幹線「上田」にて、しなの鉄道へ乗換、小諸行または軽井沢行ご利用で「田中」下車。タクシーで15分(片道2500円前後)となります。バス路線はございません。ご了承下さい。

 

関西方面から:名古屋から「特急しなの」をご利用いただき、篠ノ井しなの鉄道に乗り換え、小諸行または軽井沢行ご利用で「田中」下車。タクシーで15分(片道2500円前後)となります。バス路線はございません。ご了承下さい。