東京墨田区江東橋の無人島プロダクションで加藤翼展「Superstring Secrets」が開かれている(10月31日まで)。加藤は1984年埼玉県生まれ、2007年武蔵野美術大学 造形学部 油絵学科を卒業し、2010年東京藝術大学 大学院美術研究科絵画専攻油画を修了している。2011年無人島プロダクションで初個展。
加藤は香港に取材で行ったとき、コロナ禍で帰国できなくなった。同時に香港では民主化闘争が行われていた。加藤は香港の地下道に投書箱を設置し、秘密情報を投書してくれるよう依頼した。帰国後日本でもオリンピック施設周辺に投書箱を設置し、同じことを求めた。その膨大な投書をシュレッダーにかけて、今回ギャラリーの床に敷き詰めている。同時に観客にも秘密を投書してくれるよう求めている。
プレスリリースによると、韓国の光州の展覧会場でも秘密を集め、そのインスタレーションで流れる映像を東京から遠隔で更新していく(展覧会場には、書かれた秘密を自動で撮影しGoogleドライブにアップロードするカメラが設置され、そのデータを東京で受取り、更新した映像を光州に逐一送っていく)。そして、「このプロジェクトが今の東アジアだけでなく、やがて世界各地に展開し、時代を越えて私たちの秘密を紡いでいく風景を想像してもらいたい」と結ばれている。
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加藤翼展「Superstring Secrets」
2020年10月1日(木)-10月31日(土)
火~金|13:00-19:00 / 土・日|12:00-18:00、月曜休廊
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東京都墨田区江東橋5-10-5
tel. 03-6458-8225