無人島プロダクションの風間サチコ展「電撃!! ラッタイト学園」を見る

  東京江東区無人島プロダクションで風間サチコ プチ回顧展「電撃!! ラッタイト学園」が開かれている(3月6日まで)。風間は1972年東京生まれ、1996年武蔵野美術学園版画研究科を修了している。1998年にギャラリー山口で初個展、その後、ギャラリー手、マキイマサルファインアーツなどで個展を開いているが、最近は無人島プロダクションでの発表が中心になっている。昨年末〜今年の「DOMANI・明日展」にも選ばれていたが、私は見逃してしまった。
 今回の個展は「電撃!! ラッタイト学園」と題されている。ギャラリーによれば、ラッダイトとは「産業革命にともなう機械使用の普及により、失業のおそれを感じた手工業者・労働者が1810年代にイギリス中・北部の工業地帯で起こした機械破壊運動のこと」で、風間が「学校」という装置を暴力装置・機械とみなして今回の作品にしている。それは風間が小中学生時代に経験した理不尽な体験がもとになっているという。





 風間の技法は版画なのだが、複数作ることをしない1点もの=モノタイプだ。作品では、画鋲が飛び散っていたり、バットが振りまわされていたり、窓ガラスを粉々に割っているアンドロイドのようなものがいる。教室の後ろに立つアンドロイドのようなものの左右には「生」「死」と書かれている。
 風間は現代の日本では少ない社会性を主張する画家なのだ。正面から不正を糾明する作家で、浜田知明ベン・シャーンの系譜に属するのだろう。それが社会主義リアリズム的なプロパガンダに陥らないのは風間の芸術性の高さなのだと言えるのではないか。優れた画家のひとりだと思う。
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風間サチコ展「電撃!! ラッタイト学園」
2016年2月13日(土)−3月6日(日)
12:00−20:00(土日=11:00−19:00)月曜休廊
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無人島プロダクション
東京都江東区三好2-12-6
電話03-6458-8225
http://www.mujin-to.com
※地下鉄半蔵門線清澄白河駅」B2出口より徒歩2分
 都営大江戸線清澄白河駅」A3出口より徒歩4分