デュシャンの男性用小便器「泉」は画期的な作品だった。しかしオリジナルは撤去されて行方が知れない。その後いくつもレプリカが作られた。デュシャンの概念芸術(コンセプチュアル・アート)にとって、オリジナルもレプリカも大差ない。
この便器「泉」は発表当時せいぜい変な作品に過ぎなかった。そして現在では歴史的作品だ。歴史であって、作品そのものではない。画期的であるのは当時ではなくて、現在から振り返ったその時会場に展示された「泉」なのだ。
このことを枕に、いずれ内藤礼に関する素描を試みるつもりでいる。さて・・・