レズの詩人サッフォー

 渋谷のスペイン坂は女の子が多い。安くて可愛い商品が揃ったショップがたくさんあるからだ。同様に新宿2丁目は男が多い。安いかどうかは知らないが可愛い男の子が多いからだ。男同士のカップルも歩いているし、マッチョな男が出演しているビデオを販売している大人のおもちゃ屋や、男が相手をしてくれるソープもある。街角には男の子たちが人待ち顔で立っている。ハッテン場の公園もちゃんと用意されている。
 では同じような趣味の女性はどこに行けばいいのか。いや、私は知らないのだ。多分ないのだろう。以前レズ趣味の女性と付き合ったことがある。彼女はレズだから当然プラトニックな付き合いだった。
 さてレズの語源は何か? 答え:遠いギリシャの昔、レスボス島にサッフォーという女性詩人がいた。彼女は女性と付き合って、詩を書いていた。しかし長い年月を経て、彼女が詩を書いたパピルスは劣化して、断片化していった。サッフォーの住んだレスボス島からレスビアン、レズビアンという言葉が生まれた。
 アメリカ生まれのイギリスの詩人エズラ・パウンドは俳句を愛していた。パウンドがサッフォーが書いた詩という想定で作った詩「パピルス」を紹介する。パピルスに書かれていたので断片しか残っていない……。
 城戸朱里・訳「エズラ・パウンド詩集」(思潮社)より

パピルス



春………………………
あまりに長く…………
ゴングラ………………

 エズラ・パウンドはやはりアメリカ生まれのイギリスの詩人T. S. エリオットの友人で、エリオットの長編詩「荒地」の初稿を読んでもっと短くするようアドバイスした。この長編詩が初稿ではもっと長かったのだ! 日本の戦後の現代詩をリードした詩誌「荒地」グループはエリオットの詩を雑誌の名前とした。鮎川信夫田村隆一黒田三郎北村太郎、中桐雅夫などが参加していた。