山本弘の書(2)


 Emmausさんが、山本弘の書を見たいと言われる。リクエストをいただけるなんてありがたい。とりあえずこの1点。
 山本弘は酒が続いた後必ず寝込み(というか飲み続けて飲めなくなって倒れて寝込む)、何日か寝込んだ後起き出してきて最初に書を書いて手ならしをしたらしい。それから絵を描き始める。絵を描いている時は飲まないし人にも会わない。外出もしない。絵を描き終えると今度は酒浸りになる。飲み続ける。飲めなくなるまで。寝込む。これを繰り返す。書は手ならしだったから「無」1字の書が多い。それから「無為」も。
 いつも酔っぱらっていてそんな風には見えなかったけれど、本来は気障な、格好つけの人だったと思う。詩人でもあった。

 白は責むる
 
 白は魂をして


 凍結せしむる