東京銀座の資生堂ギャラリーで林田真季展が開かれている(3月3日まで)。これは「shiseido art egg」の一つで、資生堂が新進アーティストを応援する公募プログラム。毎年3人が選ばれて資生堂ギャラリーで個展をし、中から一人が「shiseido art egg賞」を与えられる。今回が17回目になる。
林田真季は1984年大阪府生まれ、2007年に関西学院大学総合政策学部を卒業し、2022-2023年ロンドン芸術大学に在学した。
ギャラリーのちらしによると、林田真季は、人間による利己的な行動が予期せぬ結果をもたらすという「意図せざる結果」の法則に注目する。そのアプローチは、リサーチに労と時間を費やすプロジェクトでもあり、テーマはイギリス沿岸部の過去のごみ埋立地の姿と日本各地の大規模不法投棄事案を問題とする。写真による視覚的ドキュメントと空間的なイメージの奥行きは、独自のインスタレーションを構成し、鑑賞者を新たな現実の考察へと導く、とある。
この作品はイギリス沿岸部の過去のごみ埋立地の一つを写したゼラチン・シルバー・プリントに手彩色を施したもの。
こちらは、東京23区にある全21の清掃工場の煙突がエッチング用プレートに描かれている。プレートの裏面には各イメージのタイトルとして、工場名と煙突の高さがエッチングされている。煙突の高さは、空港、高層ビル、高速道路、住宅などの周辺環境に応じて41mから210mまで様々で、景観や周辺住民への影響に配慮したデザインも多種多様である。
奥の会場の展示では、イギリス沿岸部の過去のごみ埋立地で集めたガラスびんの破片を描写した。イギリスでは過去大量に埋め立てられた廃棄物の代名詞がガラスびんとのこと。
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林田真季展
2024年1月30日(火)―3月3日(日)
11:00-19:00(日・祝は18:00まで)月曜休館
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電話03-3572-3901
https://gallery.shiseido.com/jp/