資生堂ギャラリーの須田悦弘の椿はどこか

 東京銀座の資生堂ギャラリーで「せいのもとで」が開かれている。出品作家は、宮島達男、クリスティアーネ・レーア、須田悦弘、志村ふくみ、珠寶などだ。
 このうち、須田悦弘の椿の作品が4点出品されていると展示作品リストにあるが、その展示位置が書かれていない。ただ、1点は隣のザ・ギンザ1階に展示してあると書かれている。まず3点を探してみた。しかし資生堂ギャラリーは広いからなかなか分からない。過去の展示でも天井の隅に吊したり、椅子の下に置かれていたり、窓枠に隠れるように設置されていたりしたのを知っている。しかし1つも分からなかった。係りの女性に尋ねると、××の辺りですと教えてくれた。その辺りを探すと簡単に2個見つかったが、もう一つが分からない。受付の女性に訊くと、この辺ですと、手を大きく振って教えてくれた。その辺りを何度も探したが分からなかった。ついに降参して詳しく教えてもらった。これは難問だった。
 ギャラリーを出て、隣の資生堂ザ・ギンザに入り探そうとしたが、ここは化粧品を販売している店舗だ。私がこんなところでうろうろきょろきょろしていたら怪しまれるのは目に見えている。ここでも女性スタッフに教えてもらった。
 須田は初個展を銀座の路上に置いた箱のような空間で行っている。その箱はリヤカーに載せて道路を移動していた。道路交通法対策だという。2回目の個展が銀座のギャラリイKで行った。正確に彫った木彫の雑草の芽生えを画廊の隅に置いていた。客から、毎日水をやっているのかと訊かれたという。
 須田が変わったところに作品を設置するのは、あまりに正確に作られているので、ショーケースなどに設置したら工芸品に見えてしまうからではないだろうか。いつも不思議な展示の仕方をするのだった。だから観客は須田の作品がどこに置かれているのか探すのが約束になっている。
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「せいのもとで」
2014年9月5日−10月12日
11:00−19:00(日曜・祝日18:00まで)
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資生堂ギャラリー
東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
電話03-3572-3901
http://www.shiseidogroup.jp/gallery/