東京都現代美術館のコレクション展を見る

 東京木場公園東京都現代美術館でコレクション展が開かれている(3月10日まで)。ちらしから、

東京都現代美術館では、戦後美術を中心に、近代から現代にいたる約5700点の作品を収蔵しています。「MOTコレクション」展では、会期ごとに様々な切り口を設けて収蔵作品を展示し、現代美術の持つ多様な魅力の発信に努めています。

1階では、「被膜虚実(ひまくきょじつ)」と題し、1980年代末以降の作品を紹介します。このほど新規収蔵した三上晴子の作品を起点に、石原友明、平川典俊、ホンマタカシ、開発好明、加藤美佳名和晃平、百瀬文、潘逸舟、トーマス・デマンド、方力鈞ほかによる多種多彩な作品をたどりながら、そこに見られる身体観の移ろいと生への眼差しに着目します。

3階では、「特集展示 横尾忠則―水のように」と題し、2021年の当館での個展を機に収蔵された作品を中心にご紹介します。1960年代から近作まで、その変化に富んだ数々の作品に表れた「水」の表現に注目することで、新たな魅力を探っていきます。あわせて、横尾とゆかりの深い作家の作品も展示します。

また、今年生誕100年を迎えたサム・フランシスの大きな絵画のシリーズもお楽しみください。

 

サム・フランシス

福田尚代

福田尚代

朝倉摂

光島貴之

【以下、横尾忠則

宮島達男


 サム・フランシスは大きな作品が4面の壁に展示されている。昔見たときは感心したが、今見ると日本画に影響されたらしいその大きな白地の空間は、私にはスカスカに見える。ある画廊主が若い頃のサムは良かったよと言ったが、若い頃のサムはブラックの強い影響下にあったと思う。確かに晩年よりは良かった。ブラックの影響と言えば難波田龍起もそうだった。

 朝倉摂の猫のスケッチが良かった。福田尚代の文庫本を切り刻んだ作品が面白かった。藤巻義夫の隅田川両岸を描いた絵巻は、昔洲之内徹が「気まぐれ美術館」で紹介していた。光島貴之は「ハンゾウモン線・清澄白河から美術館へ」というレリーフを連ねた作品を作っている。

 しかし、本コレクション展の目玉は横尾忠則だった。「特集展示 横尾忠則 水のように」と題して、個展と見まがうくらいの作品が展示されていた。いや、横尾忠則はもういい加減見飽きたのだけれど。

 最後の部屋には宮島達男のLEDのデジタルカウンターが赤い数字を明滅させている。

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MOTコレクション展

2023年12月2日(土)―2024年3月10日(日)

10:00-18:00(月曜日休館)

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東京都現代美術館

東京都江東区三好4-1-1

電話050-5541-8600(ハローダイヤル)

https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-collection-230715/