東京日本橋馬喰町のPARCELで森靖展が開かれている(7月11日まで)。森は1983年愛知県生まれ、2009年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻を修了している。2010年に山本現代で初個展、PARCELでは2020年に続いて2回目の個展となる。相変わらず巨大な木彫作品を出品している。
ギャラリーのホームページから、
本展のメインを構成するのは2体の大型彫刻作品です。その高さは人類が医学的な記録上現存する最長の記録272cmに迫ります。森いわく「人間が形を留められる範囲で、美のMAXのスケールを表現している」としていますが、それを可能としているのが作品に使用している、人間の最高齢の記録である120年に近い樹齢の木でもあります。大型作品にこだわり続け制作を続けている森は「指先で容易に画面越しのイメージを拡大縮小できる時代において、スケールを変えるという感覚は生活の中で今は当たり前のように存在している。あまりにも画面の中での世界で生活をする時間が長くなっている今だからこそ、現実においてのスケールを実感することが必要だと感じている」と言います。小さな仏像から巨像までを手がけた運慶の没後800年を2024年に迎える中、同じく手のひらに乗るサイズから3M近い彫刻を手がけることに、デジタル技術の恩恵の元生活をしている今だからこそ森は必然性をより強く感じているのです。
巨大なニケに対峙している像は何だろう。玄関には自由の女神も設置されていた。このような巨大さはそれだけで見る者を圧倒する。一方ごく小さな作品、吉田哲也やさかぎしよしおうの魅力も思い出してしまう。
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森靖展「Twister」
2023年5月27日(日)-7月11日(火)
14:00-19:00(月・火・祝日休廊、ただし7/10、7/11は営業)
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PARCEL
※JR 馬喰町駅 C4出口すぐ、JR 浅草橋駅東口 徒歩5分、都営浅草線浅草橋駅A2出口 徒歩5分