東京京橋のギャラリーなつかで狩野涼風展「-asobi-」が開かれている(7月8日まで)。狩野は1998年東京都生まれ、2021年東海大学教養学部芸術学科美術学課程を卒業し、2023年同大学芸術学研究科造形芸術専攻を修了している。学外での個展は初めてとなる。
狩野の言葉、
日常の空気や自分の中の空気をよくみる、大切にする、きっかけでありたい。
機械などの部品の結合にあるゆとりを「asobi」と呼ぶ。
展示空間にたたずむことで、ものとものではなくその間にあるasobiがどこにあるのか、自分だったらどうするか考え、自分の中で見つけ出したasobiが、ものとものにどう関わっているのか、よくみてほしい。
狩野は麻布に墨流しの技法を加え、それを使って造形している。画廊の正面の大きな作品は、その一部を留めて、狩野の言う「遊び」を作っている。「遊び」とは、機械部品の結合などにゆとりをもたらす必要から取り入れられているものだ。「本展示はONとOFFの間の、感覚の中に存在する空気を表現した空間である」と狩野は書いている。
右側の壁面に展示されているのは、正面の大きな作品のように紐とクリップで遊びを作ることを意図しているようだ。
狩野の学外での初めての個展で、このような意欲的な表現を試みたことを高く評価したい。このあと、どんな展開を見せてくれるのか楽しみだ。
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狩野涼風展「-asobi-」
2023年7月3に位置(月)-7月8日(土)
11:00-18:30(最終日17:00まで)
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ギャラリーなつか
東京都中央区京橋3-4-2 フォーチュンビル1F
電話03-6265-1889