ギャラリーなつかの高妻留美子展「−かけらの標本箱−」がおもしろい

 東京京橋のギャラリーなつかで高妻留美子展「−かけらの標本箱−」が開かれている(8月29日まで)。高妻は1990年、鹿児島県生まれ。2014年に東北芸術工科大学を卒業し、現在同大学大学院に在籍中。今回が初個展となる。





 高妻は陶でオブジェを作っている。同じ形のものが2個ペアで並べられている。小さなものが道端や海岸などで拾った実物の珊瑚や石ころ、木材で、ペアになっている大きなものが、その実物の形をなぞった作品。ただし、これは二つで一つの作品と言うべきだろう。
 説明を受けなければ、そのような構成になっていることは気づかない。とても精巧に作られている。実物を模してそれを大きく作り、それらを並べて展示するというのはありそうで、しかし今まで見た記憶がない。大変おもしろかった。
 初個展ということで、気になったのは展示の方法だった。長い展示台を作って、そこに作品を数多く並べている。作品の点数をもっと絞って、展示の形式に工夫を凝らすべきだろう。そして今後どのように展開させていくのか、難しくもあり、楽しみでもあると感じた。
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高妻留美子展「−かけらの標本箱−」
2015年8月24日(月)〜8月29日(土)
11:00〜18:30(最終日17:00まで)
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ギャラリーなつか
東京都中央区京橋3-4-2 フォーチュンビル1階
電話03-6265-1889
http://homepage2.nifty.com/gallery-natsuka/