藍画廊の井上修策展「layered sculpture-律動体-」を見る

 東京銀座の藍画廊で井上修策展「layered sculpture-律動体-」が開かれている(4月22日まで)。井上は1984年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業している。長年ギャラリー現で個展を開いていたが、最近はギャラリーQで開催していた。

 井上のコメント、

 

律動体

 

律動は呼吸や脈拍運動をはじめ、生命現象すべての中に存在し、 地球の運動などにもその根源が認められる。/この運動は時に幾つもの層を形成し造形美へと繋がる。/人間に置き換えてみる。

日々の律動の中で精神的にも物理的にも幾つもの層をまとい 脱ぎ、その生命を終える。/それらを私は律動体と呼ぶ。

形態としてマトリョーシカを選択したのは ロシア一党独裁政治の醜さを、マトリョーシカ内側深くに閉じ込め 静かな永眠を願ってである。

作品サイズはウラジーミルの身長約168cmに合わせて制作した。

 


 井上が「ロシア一党独裁政治の醜さを、マトリョーシカ内側深くに閉じ込め 静かな永眠を願って」と書いている。ウラジーミルとはプーチン大統領のことだ。マトリョーシカは棺桶を思わせる形態で、井上の意図は明白だ。素材は木にウレタン塗装とある。

 最近このような政治的な主張を持った作品が少なくなった。貴重な作家だと言えるだろう。

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井上修策展「layered sculpture-律動体-」

2023年4月17日(月)-4月22日(土)

11:30-19:00(最終日18:00まで)

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藍画廊

東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル3階

電話03-3567-8777

http://igallery.sakura.ne.jp/