東京六本木のs+artsでさとう陽子展「空空」が開かれている(2月19日まで)。さとうは東京生まれ。1981年に日本大学芸術学部美術学科を卒業している。1986年から毎年様々なギャラリーで個展を開いて活発に活動している。
ギャラリーのホームページから、
油彩、パステル、鉛筆、メディウム等を用いて制作するさとうは、近年、作品の細部に気を使いながらも俯瞰するように、脱力した[穴]や[破れ]のような減算の要素を画面に入れることで、独自の時空間を表現することを追求するようになりました。
これまでは、その時の想いを幾度もキャンバスに重ねることで形を現し、画面を埋めていくように、主に厚塗りの強弱をつける方法で作品表現を続けてきましたが、ここ数年は、より軽やかに、自身の求める絵画を研ぎ澄まされた感覚を持って表現するようになってきたように見受けられます。
本展タイトル「空空」は、「そら」「むな」「から」、、、或いはその組み合わせなど、読む側の捉え方に任せています。
今回さとうはコラージュの技法を積極的に使っている。作品の一部を破いて貼り、またそれらを組み合わせている。以前書いたことだが、さとうには中西夏之の影響が認められる。中西も知性の画家だったが、さとうもその点は共通するだろう。そういう意味では田淵安一とも通底するのかもしれない。
これも以前書いたことだが、さとうの画面はレイヤーで構成されていると考えると理解しやすいのではないか。こんなことをごちゃごちゃ書いているのは、私にはさとうの造形が難しく、それを何とか理解しようとしているからだ。理解への道は遠い気がするが。
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さとう陽子展「空空」
2023年2月10日(金)-2月19日(日)
12:00-19:00(最終日は17:00まで)会期中無休
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s+arts
東京都港区六本木7-6-5 六本木栄ビル3階
電話03-3403-0103