東京六本木のS+artsでさとう陽子展「―じげん―」が開かれている(10月17日まで)。さとうは東京生まれ。1981年に日本大学芸術学部美術学科を卒業している。1986年から毎年様々なギャラリーで個展を開いて活発に活動している。
ギャラリーのホームページから、
本展では、視覚だけでなく、音、味、匂い、触感などの感覚も使って絵を描くことで「いまここに生きている画面になるようにする」と語るさとうの絵画表現としての新作を発表いたします。キャンバスに油彩、パステル、鉛筆、メディウム等を重ねて厚塗りの強弱をつける方法と、脱力した[穴]や[破れ]のような減算の要素を画面に入れる方法が合わさることで、独自の絵画空間の広がりを表現する彼女の作品は、観る者の捉え方により様々に表情が変化します。
大作が2点と小品が20点以上展示されていただろうか。パネルの裏面を使ったものもある。以前も書いたことだが、ゲシュタルトでいう図と地をさとうの絵画に当てはめてみると、図と地で成り立っているように見えて、その地がさらに下位の地に対して図となっているように見える。地の複層性というか図の複層性というか、今風に言えばレイヤー構造をなしていると言ってもいいかもしれない。複雑な構造とマチエールの特異さがさとうの特徴だろう。中心がないことでどこかオールオーバーにも近く、またそれを否定しているようにも見える。さとうの絵画は安易な定義を拒んでいる。それが魅力とも言えるのではないか。
なお、s+artsは以前Shonandai MYギャラリーといっていたのが改名したもの。オーナーが親から娘たちに移ったが場所は変わらない。
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さとう陽子展「―じげん―」
2021年10月8日(金)-10月17日(日)
12:00-19:00(最終日17:00まで)会期中無休
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s+arts
東京都港区六本木7-6-5 六本木栄ビル3階
電話03-3403-0103