東京銀座の東京画廊+BTAPで宮澤男爵展「盲斑」が開かれている。宮澤は1981年千葉県生まれ。東京画廊+BTAPでは2008年に二人展、2010年と2015年に個展を開催している。画廊のホームページより、
これまでの宮澤は「見ていること」をテーマとして制作してきました。そのことを絵画にするために、書く行為の跡が判別できる技法と素材にこだわり、結果、紙に鉛筆や水彩を使うドローイングとなったのです。
しかし今回の「盲斑」では、絵画の起因となる「見ること」に立ち返り意識下にある「見ていること」から無意識でも「見えていること」にテーマを転じます。
「見ること」を成す眼球は、あらゆる光を受け入れ「見ていること」を超える情報を大脳に送ります。「見えていること」は「見ていること」より映像量は多く、しかも網膜には光を採らえられない「斑」があり「見えないこと」が起こっています。でも私たちは「見えていないこと」がありながら、その盲斑を意識していません。宮澤はキャンバスにアクリルでペインティングをしながら、それに気付きペインティングには空間があってもドローイングで生じる余白がないことを知ったのです。そのうえに網膜が曲面であることから「見えていること」には歪みがあることも考えました。
「盲斑」展が「見ること」の不思議を観る人と一緒に考える場となれば本望だと作家は言っています。
画廊には奇妙にゆがめられた作品が展示されている。また曲面のパネルに描かれた作品も並んでいる。この局面は網膜が曲面であることに対応しているのか。「見ることの不思議」は伝わってきたが。
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宮澤男爵展「盲斑」
2021年9月25日(土)―10月26日(火)
12:00―18:00(日・月・祝 休廊)
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東京都中央区銀座8-10-5 第4秀和ビル7階
電話0 3-3571-1808
https://www.tokyo-gallery.com/