東京ステーションギャラリーの神田日勝展を見る

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 東京ステーションギャラリー神田日勝展が開かれている(6月28日まで)。コロナ自粛で休館していたが、今日から再開した。ただし3密を避けるために日時指定の前売り券が必要だ。私は今朝ネットで予約してローソンで入手した。
 日勝は1937年東京の練馬で生まれ、1945年に北海道へ渡って開拓生活を始めた。兄の指導を受けながら独学で絵を学び独立展に応募して入選する。しかし1970年32歳のとき病気で倒れて亡くなった。絶筆が馬の半身だけ描かれた絵。日勝が部分から描いていったのがよく分かる。
 私は30年ほど前に『絵画入門 子どもと親の美術館』という新潮社のとんぼの本神田日勝を知った。この本は北海道立近代美術館が編集しているので神田日勝が大きく取り上げられている。馬の半身が描かれた絶筆と室内風景が強く印象に残り、いつか実物を見てみたいと思っていた。

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 最初の部屋へ入って曹良奎を連想した。解説に日勝は曹の絵の図版をスクラップブックに貼っていて参考にしたとある。曹良奎は優れた画家だったが、在日のため日本で差別され、帰国運動のとき北朝鮮へ渡ってしまった。その後の行方が分からない。朝鮮大学校で美術を学んだ画家の話では、タブローは見たことがないがデッサンは大事に展示されているとのことだった。日本では東京国立近代美住管と宮城県立美術館に良い作品が収蔵されていて、今回どちらも日勝の横に展示されている。
 室内風景も印象に残る作品だ。壁に新聞紙を張り巡らしそれを細密に写している。中央に日勝らしき男が座っており、影もなくあえて二次元的に描いている。海老原喜之助やアンフォルメルの影響を受けたり、作風が短期間で変わっていっている。
 32歳で亡くなってしまったのは痛ましいとも思えるし、32歳でこれだけの作品を残したのだと感銘も受ける。最後の部屋に展示されている絶筆の馬の半身の絵を見ながら日勝の生涯に思いを馳せずにはいられなかった。
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神田日勝展「大地への筆触」
2020年6月2日(火)―6月28日(日)
10:00-18:00(金曜日―20:00まで)月曜休館
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東京ステーションギャラリー
東京都千代田区丸の内1-9-1(JR東京駅丸の内北口改札前)
電話03-3212-2485
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/index.asp