東京ステーションギャラリーの坂田一男展「捲土重来」を見る

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 東京ステーションギャラリーで坂田一男展「捲土重来」が開かれている(1月26日まで)。ちらしの文章を引く。

キュビスム以降の抽象絵画の展開を核心で理解し、その可能性を究極まで押しすすめた画家坂田一男(1989-1956)。世界的にも稀有な高い次元に到達していた坂田一男の仕事の全貌を展示し、その絵画に織り込まれた世界の可能性をひもときます。
(中略)本展は、近代美術史を精緻に解析し、その可能性の再発掘と刷新に挑む造形作家の岡崎乾二郎氏を監修者に招き、〈現在の画家としての〉坂田一男の全貌を提示するはじめての展覧会となります。(後略)

 この坂田一男展についてはポスターなどで見ていてさほど関心を引かれなかったが、岡崎乾二郎が監修したとあって興味を持った。それで最終日の1日前に出かけてみた。「世界的にも稀有な高い次元に到達していた坂田一男」とある。

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 上にちらしの裏面の画像を示した。左上の作品は渡仏直後のものでピカソやブラックなどの影響を示した典型的なキュビスムの作品だ。その右は作品の解説では、フラスコとか手榴弾を描いているのではないかと書かれ、内と外の空間が描かれていて、手榴弾なら爆発によって外の空間を破壊するというような記述があった。
 さて、世界的にも高い次元に到達というのが分からなかった。マチエールがきれいじゃないのは平面作品の物質性にこだわっているのだろうか? 分からない。
 美術館でポルトリブレの画廊主平井勝正さんに会った。平井さん、この作家知ってました? 知らなかった。でもこの作家好きでしょ? 好きです。そんな会話をした。好きな人と嫌いな人に分かれるようです、と。
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坂田一男展「捲土重来」
2019年12月7日(土)―2020年1月26日(日)
10:00-18:00(金曜は20:00まで)月曜休館
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東京ステーションギャラリー
東京都千代田区丸の内1-9-1
電話03-3212-2485
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/