長谷川義史『絵本作家のブルース』を読む

 長谷川義史『絵本作家のブルース』(読書サポート)を読む。長谷川が季刊雑誌『この本読んで!』の巻頭に見開き2ページで連載しているものを単行本化したもの。B5判の大型本で、季刊だから年に4回発行、33回までが収められている本書は8年以上連載したことになる。
 最初にエッセイが載っていて、長谷川は高校を卒業して家でイラストを描いていた。イラストレーターの会社の人からグラフィックデザインも勉強した方がいいと言われて、有名なグラフィックデザイナーのデザイン事務所にもぐり込む。そこがブラックデザイン事務所だった。給料はむちゃくちゃ安い。福利厚生は一切ない。毎日家に帰れない。先生(社長)が夕方から打ち合わせと称して飲みに行く。酔っ払って帰って来て、それまでやってた仕事に駄目を出す。そっから夜中までやり直させられる。先生が夕方出かける時に、「今日はパン買うときや」と言うのは夜食ということで、今夜も家に帰れないと。
 そのうちそのデザイン会社が倒産する。次にちゃんとしたデザインプロダクションに入るが、奥さんが早く勤めを辞めて絵に専念しろと言う。彼女はイラストレーターとして活躍して、しっかり稼いでいたから。
 ポスターの仕事がフリーの編集者の目に留まって紆余曲折の末絵本作家になる。

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 さて、本文の見開きのページだけど、私はドンキみたいだと思った。ドンキホーテの過剰な小商品陳列を連想した。手書きでエッセイが書かれ、その上に大きく挿絵のイアラストが描かれている。左端に5コママンガ「コマった人々」が置かれ、その下に長谷川のプロフィールが連載されている。下端に新刊予告が、右端にも1行なにやら書かれている。
 いや、なかなか面白い内容だ。長谷川の絵本はすでに70冊を超えているという。何か1冊読んでみたい。

 

絵本作家のブルース

絵本作家のブルース

  • 作者:長谷川義史
  • 出版社/メーカー: 読書サポート
  • 発売日: 2018/12/19
  • メディア: 単行本