東京銀座のStepsギャラリーで吉岡まさみ展「秘密の記憶2020」が開かれている(7月22日まで)。吉岡は1956年、山形県生まれ。1981年に東京学芸大学教育学部美術科を卒業している。作家であり、ここStepsギャラリーのオーナーでもある。
ギャラリーの奥の壁に吉岡のインスタレーション作品が描かれている。その制作方法について、以前聞いた話では、
1.B1の大きさの紙にマジックインクでドローイングする。
2.ドローイングを縮小コピーし、透明フィルムに転写する。
3.プロジェクターを使って、フィルム作品を画廊の壁に大きく投影する。
4.投影された作品の線の上をなぞりながらデザインテープを貼っていく。
5.テーピングはすべてスタッフが行い、作家本人は制作に加わらない。
今回もあまり変わってはいないだろう。画廊の壁面へのテープを貼る作業はスタッフにまかせ、吉岡は一切タッチしない。もちろんドローイングは吉岡が描くし、テープの色もどの壁面に投影するかも吉岡が決めている。しかし仕上げには一切タッチしていないのだ。
3年前の横浜石川町のアトリエ・Kでの展示では、2面の壁の角を使い、壁の一部に写真を貼っていた。テープはその写真の上まで続いていた。今回は1面だけの壁に投影しているが、柱が使われている。いずれも図像を投影しているという制作方法を明示化するためだ。また投影という2次元の図像を壁の角や柱の導入によって3次元化している。
事務所内には小品が展示されている。やはり紙にドローイングしたものを板に転写し、それを彫刻刀で削って着彩している。
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吉岡まさみ展「秘密の記憶2020」
2020年7月8日(水)-7月22日(水)
12:00-19:00(日曜休廊、土曜日・最終日17:00まで)
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Stepsギャラリー
東京都中央区銀座4-4-13琉映ビル5F
電話03-6228-6195