野坂昭如『吾輩は猫が好き』(中公文庫)を読む。野坂がヒマラヤンの猫を5匹飼っていた頃、シベリアンハスキーのジジを散歩に連れ出した時に道路の植え込みでジジが仔猫をくわえてきた。野坂はその仔猫を拾って帰りチャーリーと名づける。しかし先住のヒマラヤン5匹はチャーリーを仲間に加えない。野坂の妻、娘2人と動物たち、とくにチャーリーとのことが語られる。
野坂が猫の絵を描き始める。小学校以来で50年ぶりだという。それがとても上手い。じゃあ俺も描いてみようかなどという気になってしまう。↓野坂の絵
野坂家の猫たちは室内におしっこをしたり、オス猫は見慣れないものにマーキングする。オシッコをかけて臭い付けをするのだ。それを特に嫌がりもせず受け入れている野坂家の家族が素晴らしい。
気になるのはヒマラヤンにはキャットフードなどを食べさせているが、元野良のチャーリーは人間の食べものを好むからとしょっぱいものをあげている。猫に塩分は大敵で腎臓障害で死んでしまう猫が多いのに。