ギャラリーなつかの「そこからの景色」を見る

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 東京京橋のギャラリーなつかで「そこからの景色」が開かれている(6月15日まで)。芦川瑞季と釘町一恵の2人展だ。ここでは芦川を紹介する。
 芦川は1994年静岡県生まれ、2017年に武蔵野美術大学造形学部版画専攻を卒業し、現在武蔵野美術大学大学院博士後期課程造形研究科作品制作領域在籍中。
 芦川はリトグラフで日常的な風景を描いているように見えるが、よく見れば画面の中に異質なものが紛れ込んでいる。窓からは室内が見えるが、それはマンガの1コマのようにも見える。リアルな実景の中にマンガのコマが挿入されていたりする。ありえないものの合体はシュールレアリスムの世界だ。版画でシュールレアリスムといえば筑波大学で教えている田島直樹を思い出す。重量級の田島に比べれば、芦川のシュールレアリスムは軽やかだが。

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 芦川は画面を知的に再構成していて、それがとても魅力的だ。次は個展を見てみたい。
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「そこからの景色」
(芦川瑞季・釘町一恵)
2019年6月3日(月)-6月15日(土)
11:00-18:30(土曜日17:00まで)日曜休廊
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ギャラリーなつか
東京都中央区京橋3-4-2 フォーチュンビル1F
電話03-6265-1889
http://gnatsuka.com/