ガルリSOLの米田称侑展を見る

 東京銀座のガルリSOLで米田称侑展が開かれている(9月5日まで)。米田は1994年富山県生まれ、2017年に女子美術大学芸術学部美術学科洋画専攻を卒業、2019年に同大学大学院美術専攻か博士前期課程を卒業している。今回が初個展となる。

 米田の言葉、

 

一つの命が生まれるまでに遙か昔から紡いできた血の繋がりがある。

数えきれないほどの人の人生が一つ一つ織り重なったそれは見えないけれど確かな質量を持って存在しているように感じる。

両親、祖父母、曾祖父母、誰か一人でも欠けていれば自分はここにいないのだ。

人が死んだ後、魂はどこにいくのか。自分が死んだ後も繋がってゆく顔も知らない数多の人物たち。

自らもその輪の一人だという事実は、私の制作の源である。

 

「生命の渦」

「生命の渦」の部分

「生命の渦」の部分

「生命の渦」の部分

「生命の渦」の部分



 米田はシュールレアリスム系の作品を描いている。正面の大きな作品40号の「生命の渦」がとても良かった。老人?の長い首に龍が絡みついていて、龍の顔はダブルイメージを表しているようだ。内臓や胎児が描かれていて、複雑な図像を呈している。米田がこれらを計算して描いているのではないことが素晴らしい。そのような姿勢から今後の展開が楽しみだ。シュールレアリスム系の作家が少ないところから米田への期待を表明したい。

 自分で工夫したと言うキャンバスの周囲に布を貼ったのもなかなか良かった。

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米田称侑展

2022年9月5日(月)―9月10日(土)

11:00-19:00(最終日17:00まで)

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ガルリSOL

東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル6F

電話03-6228-6050

https://galerie-sol.com/