東京銀座のガルリSOLで島田佳樹 個展「まだ暗い途を歩きながら、こう考えた。」が開かれている(7月10日まで)。島田は1994年埼玉県生まれ、2019年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。昨年のガルリSOLでの個展に続いて今回が2回目となる。
昨年と似たような不思議な空間を作っている。画廊中央に「三角のうちに住む」と題されたインスタレーションが設置されている。木の柱の上に絵が置かれ、そこから紐で小さな男の裸像が逆さまに吊り下げられている。絵を支持する柱から紐が伸びて軽石ブロックや別の柱に結びつけられている。おそらくそうしてバランスを取っているのだ。紐からはボロ布も垂れ下がっている。
柱や軽石ブロックを使ってバランスを取り、ゆるやかな空間を構成している。そこから私は何かの意味を取り出すことはできない。造形的にも美しいとは言い難い。しかし、ここには何かがある。造形的とか意味とかとは別の評価軸が必要とされる何かではないかと思うのだ。
さらにもう一つ、右奥の隅に立てかけられた「もう真っ直ぐ立っていられない。」と題された古い木柱の作品がある。土台によって立ってはいるものの、壁に寄りかからないでは立っていられない。
島田は何か不思議な空間の創造に挑戦しているのだと私には思われる。
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島田佳樹 個展「まだ暗い途を歩きながら、こう考えた。」
2021年7月5日(月)―7月10日(土)
11:00-19:00(最終日17:00まで)
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GALERIE(ガルリ)SOL
東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル6F
電話03-6228-6050
GALERIE SOL | 個展なび (koten-navi.com)