濱田富貴展「―境界・設計図―」が見事だ

 東京京橋のギャラリーなつかで濱田富貴展「―境界・設計図―」が開かれている(9月12日まで)。濱田は1972年福岡県生まれ、1998年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科版画コースを卒業し、2000年に同大学大学院造形研究科美術専攻版画コースを修了している。その後、カナダのアルバータ大学やアメリカのユタ州立大学に招聘され、2009年には文化庁新進芸術家海外研修員としてフィンランドに滞在している。





 今回、濱田は銅版画および墨と鉛筆によるドローイングの2つの技法の作品を展示している。モチーフは植物だ。とは言え、植物を写実的に描くのではなく、あるいはデフォルメしあるいは象徴的に造形している。
 今回は展示されていないが、先の「DOMANI・明日へ」で見せた巨大な版画作品を見ても、濱田が大きな画面を完全にコントロールしていることが分かる。一見単純な形の集積のような作品でも、それがそのまま造形的に高い完成度を示しているのは濱田の優れた才能を示しているのだろう。
 個展の会期は今週月曜日から来週土曜日まで2週間にわたっている。植物をモチーフにして、それがまた艶めかしい濱田の作品を見てほしい。


「DOMANI・明日展2015」を見て(2015年1月19日)
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濱田富貴展「―境界・設計図―」
2015年8月31日(月)〜9月12日(土)
11:00〜18:30(土曜日17:00まで)日曜休廊
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ギャラリーなつか
東京都中央区京橋3−4−2  フォーチュンビル1階
電話03−6265−1889
http://homepage2.nifty.com/gallery-natsuka/