GINZAシックスで塩田千春のインスタレーションを見る

 東京銀座のGINZAシックスの中央吹抜けに塩田千春のインスタレーションが展示されている。GINZAシックスのホームページから、

本作品は、《6つの船》をテーマに最大で全長5メートルにもなる6隻の船が中央吹き抜け空間を飾ります。これまでも塩田氏の作品にはしばしば船がモチーフとして用いられてきました。船は人や物だけでなく、時間をも運びながらいずれかの方向に前進するものであり、「存在とは何か。生きているとはどういう意味なのか。私たちは何を求めて、どこへ向かおうとしているのか」を追求してきた塩田氏の問いに共鳴しています。新作アートでは、戦後多くの困難を乗り越えて復興を遂げてきた銀座の「記憶の海」を6隻の船が出航し、前進する様子を表現しています。6隻の船は異なる高さや向きで配置されているため、GINZA SIXの各フロアから見え隠れする船を眺めながら、ふと異次元を訪れるような想像の旅をお楽しみいただけることでしょう。

 その仕様

【作品名】《6つの船》
【サイズ】全長14メートル×高さ8.5メートル
【展示場所】2F 中央吹き抜け
【展示期間】2月27日(水)~10月31日(木)予定

 塩田のメッセージ

船は人や物を運ぶだけではなく、時間も運ぶ。私の作品のテーマである「存在とは何か、生きているということはどういう意味なのか」や「私たちは何を求めて、どこへ向かおうとしているのか」という問いに寄り添っています。ここ数年船を作品に使っているのは、それぞれに方向性があり前進する、という意味も含まれているからです。銀座には様々な記憶の中に人々の物語があります。幾度となく銀座を襲った震災や空襲の度に復興し、たくさんの困難を乗り越えて復活してきた銀座は日本の歴史の象徴かもしれません。約25年前、銀座の画廊を見て、なんとかここで個展ができないかとクタクタになりながら、カバンの中に作品のポートフォリオを入れて歩き回っていました。アーティストとして作品を作って発表をしていくという壁の高さを、ただ思い知ったのも銀座でした。今回、GINZA SIXの吹き抜けを使って作品の発表ができることをとても嬉しく思います。

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 6つの船が膨大な白い糸と共に中央吹抜けに吊り下げられている。吹抜け脇のエスカレーターから見れば、中空に浮かぶ大きな船を、下から見上げ横から眺めさらに上からも見下ろすことができる。使われている無数の糸は塩田には珍しく赤や黒ではなく白い糸だ。無数の糸によって大きな船は霧の向こうにあるように霞んで見える。いつもながらスケールの大きなインスタレーションだ。