ガルリアッシュの高山瑞展「余白のありて」を見る

 東京日本橋小舟町のガルリアッシュで高山瑞展「余白のありて」が開かれている(3月16日まで)。高山は1993年神奈川県生まれ、2016年に武蔵野美術大学造形学部彫刻学科を卒業し、2018年に東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了している。グループ展にはいくつも参加しているが、今回が初個展となる。
 高山は木彫作品を展示している。これは何だろう。床の平台に置かれた3つの作品は文字が彫られている。訊けばこれは王義之の蘭亭序を彫っているという。私も長い間美術作品を見て来たけれど、文字を木彫で扱って造形作品にしたのを初めて見た。高山はこれだけでオリジナル作品の創出に成功したと思う。

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 どこからこれを発想したのか尋ねると、最初に作ったのが次に紹介する方丈記を彫った作品だという。無暗に画廊を回っていると時にこんな優れた作家に出会うことができる。

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 ほかに木彫の大きな壺や小品のオブジェが並んでいた。
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高山瑞展「余白のありて」
2019年3月3日(日)-3月16日(土)
12:00-19:00(最終日17:00まで)
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ガルリアッシュ galerie H
東京都中央区日本橋小舟町7-13東海日本橋ハイツ2F
電話03-3527-2545
https://galerie-h.jp
東京メトロ銀座線・半蔵門線 三越前駅A1・B6出口から徒歩5分
(高山の高はいわゆる梯子の高、瑞はみどりと読む)