メゾンエルメス フォーラムの中谷芙二子展を見る

 東京銀座のメゾンエルメス フォーラムで中谷芙二子中谷宇吉郎展「グリーンランド」が開かれている(3月4日まで)。中谷芙二子は雪の研究で名高い宇吉郎の次女として1933年に札幌に生まれる。米国ノースウェスタン大学を卒業する。1970年の大阪万博で初めて人工霧による「霧の彫刻」を発表する。以来世界各地で人工霧を用いた作品を発表している。
 今回メゾンエルメスの建物がガラスブロックで構成されているのを見て、グリーンランドの氷を連想し、屋内で初めて人工霧を使ったインスタレーションを制作した。毎時15分と45分の2回、各々32リットルの水を霧状にして噴き出している。1日18回実演しているので、水量は600リットル近くという相当な量になる。床に傾斜をつけて水が流れやすくし、壁際に溝を作っている。
 定時になると勢いよく霧が吹き出されてくる。視界が霧で充満し先が見えなくなる。私は長野県の南部出身で近くに天竜川が流れている。秋になると川霧が濃く発生する。最も濃い時で視界が10メートル以下だったことがある。それでも中谷の霧よりは薄かった。わが師山本弘にも濃い川霧そのものを描いた作品があった。







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山本弘の「種畜場」について(2016年10月29日)
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中谷芙二子中谷宇吉郎展「グリーンランド
2017年12月22日(金)―2018年3月4日(日)
11:00−20:00(入場は19:30まで、日曜は1時間早く閉める)
不定休・無料
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銀座メゾンエルメスフォーラム
東京と中央区銀座5-4-1
電話03-3569-3300
http://www.maisonhermes.jp/ginza/le-forum/