ギャラリーなつかの石森晴菜展を見る

 東京京橋のギャラリーなつかで石森晴菜展が開かれている(2月10日まで)。石森は1993年神奈川県生まれ。2016年に多摩美術大学美術学部生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻を卒業し、現在同大学院美術研究科博士前期課程デザイン専攻テキスタイルデザイン研究領域に在籍中。今回が初個展となる。





 石森の言葉。

織物の中で1番基本的な織物組織である「平織」を使って新しい織物をつくろう、という思いで制作をしています。今回は、「複数の織物を繋ぎ合わせて1枚の織物にする」という共通のテーマで制作した作品を展示します。

 作品は織ったものを加工している。経糸や横糸を伸ばし結んだりして造形している。これらが絵の具で描かれた平面作品だったら、ここまで興味を惹かれなかっただろう。織物であり糸であるからマチエールが独特なのだ。厚みがあり、レリーフに近いとも言える。
 テキスタイルの世界に在籍していて、ファインアートを目指しているのだから、周囲に的確な指導者を期待することが難しいだろう。石森は一人で新しい世界を開拓しているのだ。初個展としてはとても頑張っていると思う。そしてこの後どんな展開を見せてくれるのだろう。期待と一抹の危惧を感じている。
     ・
石森晴菜展
2018年2月5日(月)―2月10日(土)
11:00−18:30(最終日17:00まで)
     ・
ギャラリーなつか
東京都中央区京橋3-4-2 フォーチュンビル1F
電話03-6265-1889
http://gnatsuka.com/