櫻木画廊の沓澤貴子展-watcher of the sky-を見る

 東京上野桜木の櫻木画廊で沓澤貴子展-watcher of the sky-が開かれている(10月29日まで)。沓澤は1971年、静岡県生まれ、1996年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業し、1998年に同大学大学院油絵コースを修了している。2001年ガレリアラセンで初個展を開き、Oギャラリー、かわさきIBM市民文化ギャラリー、ギャラリー砂翁、櫻木画廊などで発表をしてきている。
 今年1月に銀座のOギャラリーで個展をし、櫻木画廊では昨年1月に発表している。その櫻木画廊の個展について次のようにブログに書いた。
 沓澤は色彩の美しい抽象作品を描いている。色面で作られる形は何も具体的なものを連想させない。ほとんど色彩の変化というか、色彩の揺らぎと量感で作品を作っている。その揺らぎが画面に静かな動きを生み出している。色彩の揺らぎがつくる動きは緩やかだが、表面的なものではなく深いところから続いているように見える。沓澤独特の抽象作品だ。
 今年は少し変化を見せている。従来の作品を深化させた傾向のもののほか、強い形を描いているものがある。それらは必ずしも成功しているわけではないが、新しい展開を探っているその姿勢はとても好ましい。また麻袋に描いている作品もあった。それも違った味を出している。
 沓澤がさらなる深化と新しい展開を見せてくれることを切に望んでいる。



麻袋に描いた作品(これのみ)


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沓澤貴子展-watcher of the sky-
2017年10月17日(火)―10月29日(日)
11:00−18:30(最終日17:30まで)、月曜日休廊
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櫻木画廊
東京都台東区上野桜木2-15-1
電話03-3823-3018
JR日暮里駅南口から谷中の墓地を通って徒歩10分
東京メトロ千代田線千駄木駅1出口から徒歩13分
東京メトロ千代田線根津駅1出口から徒歩13分
SCAI THE BATHHOUSEの前の交番横の路地を入って50mほどの左側