損保ジャパン日本興亜美術館の「クインテットIII 五つ星の作家たち」を見る

 損保ジャパン日本興亜美術館の「クインテットIII 五つ星の作家たち」を見る。今年のテーマは「風景」とのこと。5人の女性作家、堀由樹子(1971年生まれ)、川城夏未(1968年生まれ)、橋本トモコ(1969年生まれ)、横溝美由紀(1968年生まれ)、木村佳代子(1971年生まれ)を取り上げている。この順に紹介する。




 堀は自然を描いている。庭の樹木だったり近くの山だったりするが、それらを主題に色彩の饗宴、戯れを描いているようだ。





 川城は赤一色の作品を繰り返し描いている。しかしよく見ると単純に見える赤の色面が微妙な濃淡を見せ、ときには植物が描かれたりもしている。小さなオオイヌノフグリの花を大きく描いたものもあった。


 橋本はツバキの花を好んで描いている。単純化してデザイン化したような橋本の花は一度見れば独特の色彩とともにすぐ分かる。



 横溝は特異な手法で作品を作っている。その技法について横溝が書いたテキストを引用する。

1本のピンと張られた糸に油絵具をのせ、糸をピンと弾く。真っ白なキャンバスに線と油絵具の飛び散る粒が共に表われる。その一本の線から始まり、次の線へと繰り返されていく。

 つまり大工道具の墨壺の原理を使っているようだ。



 木村の描く花は微かに女性器を思わせる。その点でオキーフを連想することになる。
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クインテットIII 五つ星の作家たち」
2017年1月14日(土)−2月19日(日)、月曜日休み
10:00−18:00(入館は17:30まで)
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損保ジャパン日本興亜美術館
東京都新宿区西新宿1-26-1
損保ジャパン日本興亜本社ビル42階
電話03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://www.sjnk-museum.org/
入場料:一般600円、大学・高校生400円