ギャラリーSAOH & TOMOSの野澤義宣展を見る

 東京神宮前のギャラリーSAOH & TOMOSで野澤義宣展「己事記」が開かれている(12月2日まで)。野澤は1947年東京都生まれ。1966年寛永寺坂美術研究所に学ぶ。1974年臥牛会を結成(2006年退会)。以前は真っ黒な画面を作っていた。現在は基本的に抽象的な作品を描いているが、同時に顔シリーズなどの具象画も描いている。過去には数年おきに大きく画風を変えている。

 



 野澤は黒い油絵具を塗り、それが生乾きのうちに鋭いペンのようなもので線を引いていく。野澤の話を聞いていると神秘的な体験を数多くしている。墓地の上空に首が浮いているのを見たことがあったと言い、それを描いた絵もあった。寒山拾得を描いていたこともある。

 今回も抽象的でありながら、作品によってはどこか宗教的なものを感じる。野澤自身にも何か超越した印象を受ける。只者ではないのかもしれない。

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野澤義宣展「己事記」

2023年11月20日(月)―12月2日(土)

11:00-18:00(最終日17:00まで)23日・26日休み

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ギャラリーSAOH & TOMOS

東京都渋谷区神宮前3-5-10

電話03-6384-5107

http://www.saohtomos.com