マホ クボタ ギャラリーの富田直樹展「郊外少年」を見る

 東京渋谷のMAHO KUBOTAギャラリーで富田直樹展「郊外少年」が開かれている(6月11日まで)。富田は1983年茨城県生まれ、2012年に京都造形芸術大学美術工芸学科を卒業し、2015年東京藝術大学 大学院美術研究科修士課程油画専攻を修了している。同年東京オペラシティアートギャラリーProject N 60 にて個展を開催。同年現代芸術振興 財団アートアワードにて審査員特別賞を受賞している。




 今回いくつかの大作とF0号の小品を展示している。小品は《No Job》というシリーズで、雑誌などで見つけたフリーターの肖像を描いているという。これらの小品が良かった。富田は小品の肖像を大胆な筆触を活かした手法で描いている。その粗っぽい筆触で描かれた人物像が魅力的で美しい。昨年末に川越市美術館で3人展を開いた高橋大輔を思い出した。高橋は筆触だけの抽象作品を描いているが、その抽象を肖像に変えたら富田の作品になる。



 ほかに大作が並んでいたが、小品で特徴となっている粗い筆触が、大作では相対的に目立たなくなってしまう。そのあたりが今後の課題ではないかと思った。
 しかしフリーターの肖像画という特異なテーマを見付け、それを確固とした自分のスタイルに作り上げた富田のセンスはすばらしい。今後の展開を見てゆきたい。
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富田直樹展「郊外少年」
2016年5月10日(火)−6月11日(土)
12:00−19:00、日曜・月曜・祝日休み
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MAHO KUBOTAギャラリー
東京都渋谷区神宮前2-4-7
電話03-6434-7716
http://www.mahokubota.com
 ギャラリーは、東京メトロ銀座線の外苑前駅3番出口を出て、青山通りを渋谷方向に進み、南青山3丁目の交差点を右折、外苑西通りを進む。途中ワタリウム美術館があるがそれを通り過ぎ、神宮前3丁目交差点を右折、まもなく熊野神社があるのでその手前を左折して、最初のT字路を左折すると看板が見える。外苑前駅から徒歩6分。
 または外苑前駅3番出口を出たあと、右手神宮球場方向へ進み、50メートルほどで左手に酒屋があるのでその手前を左折、真っ直ぐ進むと途中ギャラリーmayaがあり間もなく熊野神社がある。熊野神社の横を右折して最初のT字路を左折する。