私が「合掌の法則」と名づけた考え方がある。ここに4点の写真を並べた。いずれも合掌の形をしている。
最初の写真は正しい合掌の形だ。両方の掌を合わせている。左手が右手に重なって見えづらいが、間違いなく重なっている。
2番目の写真は間違った合掌だ。いやこれは合掌とは言わない。右手の甲に左手の掌が重なっている。親指より長い左手の小指が親指の向こうに顔を出している。
3番目の写真は合掌の写真だ。左右の薬指が少しずれていてきちんと重なっていない。わずかにずれはあるが、修正するのは簡単だ。両手の掌が合わさっていて合掌であることは紛れもない。
4番目の写真が微妙なのだ。一見正しい合掌の形に見える。しかし、よく見ると左手の親指の向こうにあるのは右手の小指に見える。左手の薬指と重なっている向こう側の指には爪が見える。つまり、これは右手の甲に左手の掌を重ねているのだ。ちょうど2番目の写真の形を反対側から撮ったものだ。掌が合わさっていないので合掌の形ではない。
一見同じものに見えても、小さな差異に注目すると、それが全く違うものだったり、あるいは単なる誤差だったりすることがある。普通単なる誤差に過ぎないものが多いかもしれないが、まれに全く異なることがある。売上げの計算が合わなかったとき、それは単なる計算違いかもしれないし、お釣りを間違えて渡してしまったのかもしれない。しかし、もしかすると、横領のつじつま合わせに失敗してしまったのかもしれない。深夜帰宅してきた夫の下着が前後逆になっていた場合、朝から間違えて履いていたのかもしれないし、会社で健康診断があってそのとき間違えたのかもしれない。しかし、もしかすると部下の女性と浮気をしてきたのかもしれない。
合掌の法則とは、小さな差異がもしかすると根本的な違いを示しているかもしれない、ということを示唆しているのだ。竜頭蛇尾と言うなかれ。バーナード・ショウも同じ様なことを簡潔に言っているのだから。
When a thing is funny, search it carefully for a hidden truth.
(何かがおかしい時は、真実が隠れていないか気をつけろ)
合掌の法則は私のオリジナルですが・・・